いきつけの居酒屋で、ある上司と部下が、こんな話をしていました。
部下:「課長、今回はどうもすいませんでした」
課長:「気にするなよ。何事も、経験だよ」
部下:「俺みたいな三流大学出は、何をやってもダメですね」
課長:「仕事と大学は関係ないよ」
部下:「おれ、聞きましたよ。課長が、東大を出ているって…」
課長:「………」
部下:「なんで、もっと一流の企業に就職しなかったんですか」
課長:「うん、東大出ということで、扱いづらいという偏見を持たれたり、過度に高度な要求をされたりすることが嫌でね、今の会社を選んだんだよ」
部下:「………」
課長:「嫌味に聞こえるかもしれないけど、君が低学歴にコンプレックスを感じているなら、私は高学歴にコンプレックスを感じているんだよ」
まったく、コンプレックスって、一体何なんでしょうか…
私たちは、コンプレックスとは、「自分が他よりも劣っているという感情」(劣等感)と理解していますが、
本来の意味は、「一定に強い情動を中心に集合した一群の心的内容」(観念複合体)ということになります。
なんだか難しいですね。
簡単にいうと、
抑圧されて無意識に潜んでいた観念が、
強い感情と結びついて、
ある瞬間に意識的な行為を妨害する
ことです。
たとえばある人が、「お礼はけっして、いただかぬつもりです」と言うつもりだったのに、実際に相手に会ったら、「お礼はけっして、いただくつもりです」と言い間違えて…
その人と会うたびに、顔から火が吹く思いをすることになったりとか。
でも、そのことをコンプレックスに感じているのは自分だけで、相手の人はむしろ、微笑ましく思っていてくれたりするものなんですよね。
自分のコンプレックスを恥ずかしく感じているのは、どうも自分だけみたいです。
ということは、自分のコンプレックスは、自分以外の人にとっては、たいして恥ずかしいものではないということになりますね。
あなたが自分のコンプレックスを恥じていようが、恥じていまいが、周りの人たちにとっては、大してどうでもいいことなのです。
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