賢い弟子と、馬鹿な弟子

 
 お釈迦様には、怜悧(かしこい)十人のお弟子さんがいたそうですよ。
 
 一人一人を紹介すると、
 
 
 頭脳第一の、「魔訶迦葉」(まかかしょう)
 
 智慧が第一の、「舎利弗」(しゃりほつ)
 
 神通力第一の、「目連」(もくれん)
 
 論議第一の、「魔訶迦施延」(まかかせんねん)
 
 世界を見通す、「阿那律」(あんりつ)
 
 説法第一の、「富楼那」(ふるな)
 
 諸法の真理を悟った、「須菩提」(しゅぼだい)

 多聞第一の、「阿難」(あなん)
 
 密行第一の、「羅ご羅」(らごら)
 
 戒律第一の、「優婆離」(うばり)
 
 となります。

 
 
 流石は釈迦のお弟子さん、
 
 どなたも素晴らしい力の持ち主ですね。
 
 ところで、どなたが一番早く、悟りを開いたのでしょうか。
 
 実は、一番早く悟りを開いたのは十大弟子ではなく、「修利槃特」(すりはんどく)という、一番馬鹿な弟子だったというから驚きです。
 
 
 「修利槃特」というのは、実は兄弟の名で
 
 兄を「修利」(すり)、弟を「槃特」(はんどく)といいました。
 
 どちらを呼んでも二人で返事をしてしまうほど、馬鹿でした。
 
 そんな二人が、賢い十人のお弟子さんより先に、成仏してしまったのです。
 
 なぜだと思いますか?
 
 
 それは、
 
 十人の弟子は賢いが故に、釈迦の教えを、理論的に理解(理屈的な理解)したのに対して、
 
 「修利」と「槃特」は、馬鹿であるが故に、釈迦の教えを素直に信じた(実践的な理解)からだと言われています。
 
 
 
 「知識や理論は、かえって、悟り(成仏)の妨げになるんだって。
 
 馬鹿な方が、悟り(成仏)方を開けるんだよ」
 
 と妻に言ったら、
 
 「あんたは、ダメよ。馬鹿だけど、素直さがないもの…」
 
 という返事が返ってきました。
 
 
 あ~あ……。
 
 今回は、こんなところで。
 
 

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