「秘密の話には羽がある」という話です。
「このことは、あなただけに話すからね」
「このことは、誰にも言わないからね」
と言われて、他の人も聞いていたり、皆に話が広まっていたり…ということがありますよね。
どうも、秘密をもらさないということは、聞き手にとって大きな負担となるようですね。
その重さから、少しでも軽くなろうとして、ついつい漏らしてしまう…。
困りましたね。
これではなかなか、秘密の話ができません。
秘密の話というのは、慎重に相手の人を選ばないと出来ないものなのですね。
秘密の話は、上手く聴くと成長に結びつくと言われます。
秘密の話は、話し手に痛みを伴いますが、聞き手に上手く聴いてもらうと、心が軽くなります。
そして、自分のことを自分の口から言えた…ということが、とても大切な意味を持つことになります。
心理学の言葉では〝自己開示〟といいます。
自分の意思で自己開示ができると、心が成長をします。
自己開示のできる人は、自己実現の方向へ一歩進みます。
ですが、自己開示をするということは、なかなか難しく
自己開示のできない人が、自己開示をできるようになるには、並みならぬプロセスを踏むことになるのです。
勇気や葛藤、人に対する不信感といった、沢山のハードルを乗り越えて、自己開示をするに至ります。
この時、話の聴き手になれる人は、
話し手の人のそういった背景や、プロセスの大切さを、ちゃんと分かっている人である必要があるかもしれません。
少なくとも、「あ…この人は私の気持ちを受け止めてくれないな」と思わせるような聴き手では、
たとえ親であっても、聴き手としては選びたくないものなのです。
聴き上手になるためには、人の秘密を抱え込んでおくだけの器が必要になります。
相手の人に対する、思いやりと理解が、必要になります。
親だから、上司だから、先生だから…といった理由だけでは
聴き手に選ばれるワケではないのです。
また、秘密の話は、言えないこと自体に深い意味があることがあります。
聞き手が無理やり聞き出すと、話し手の自我が壊れてしまうことがあるのです。
話し手は、聴いてもらいたいことだけを話すのですが、
聴き手は、聞きたいことだけを訊くわけにはいきませんから
こう考えると、「聴く」というのはなかなか労力をともなう、大変な作業なのかも知れませんね。
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